具体的なセッティングの数値となるとまず拠り所としたいのは本家Fenderの基準値です。
Fender® Electric Guitars and Basses Owner’s Manual (Current)
このマニュアルによりますとメーカーの推奨する値として、ネックの反りは「1フレットにカポをし、最終フレットを押さえた状態で、8フレット上で弦の底からフレットのトップまでがおよそ0.10″=2.54mm。弦高は12フレットで1弦が2mm+/-0.4、6弦が2.4mm+/-0.4」ということになっています。
ただこの数値は80年代半ばのマニュアルには既に記載されているものですから、四半世紀過ぎた今では精度良く作られたネックでスムーズなプレイを望むプレイヤーはもう少し低めのセッティングを好む場合が多いでしょう。
僕が新規の製作あるいはリペアで基準にしているのは、1Fと13Fを押えた状態で、6F上のクリアランスが0.1~0.2mm。弦高は弦を押えていない状態で1弦=1.5mm、6弦=1.7mm程です。でもこれはあくまでも基準値でして、低めの時は1弦12Fで1.0mmから高めの時は2.0mm程まで差がありますよ。これはもちろん使われる方のリクエストで変える時もありますし、そうでなければ自分の感覚でそのギターに最も合ったと思える高さにセットする時もあります。指板のアールやフレットの高さによって同じ弦高でも弾き心地も鳴りや出音も変わってきますから、結果的にいろんな要素が絡んだ上でベストなポイントを見つけます。
セッティングをしていく中、あるポイントで「カチッ」とスイッチが入るように全体が決まる時もあれば、いくらいじっても納得のできない時もあるんですが、でも最終的に「ゴキゲン」な状態になるまでいじり倒します。(=^x^=)
ダメならもう一度ネックを外してジョイントポケットを削ってみたり、パーツ、部品を変えてみたりするんですが、それでも「ゴキゲン」な状態にならない時は……ほっぱらかしてしばらく違う仕事をしてみたりします。ースミマセン。お客さま。・m(._.)m・ー
次はもうちょっと具体的な事が言えるかな?