リペアでも製品のセットアップでもそうなんですが、そのパーツを選んだことで要らぬトラブルを招いてしまうことってあると思うんです。
例えば先日のこと、お客様が持ち込まれたギター、「弦がビレるんですり合わせしてください。」って言うご依頼でして、確かにあちこちビレるんですり合わせをしたんですが、どうもすっきりしない。「使う予定があるから」と言うことで一旦引き取られたんですが、しばらくして「やっぱりもう一度やり直してください」。。。
チェックしなおしてみると1弦と2弦がほぼ全域でビ~ンビ~ンという感じだし、弦高を上げてもあまり変わりは無し。
いじり回しているととサドルの弦が乗る位置をちょっと変えると多少良くなる事を発見。
はは~ん、これかっ問題は。!!!
マイクロスコープで見てみると(いや、最近老眼がひどくて近くが見えにくいものですからね、)どうやらサドルのメッキの仕上がりが悪いのか、弦がリリースされるポイント部分の形状が悪く、軽いシタール状態になっちゃっていたんですね。もしかしたらメッキの密着も悪いのかもしれない感じです。なんかマクロな話ですねー。
普通こういうときには細かな番手のサンドペーパーやヤスリを当てて表面を滑らかにしたりするんですが、メーカーの刻印入りのサドルだったんで、少しいじってみた結果、こりゃ不良!と判断してお客様と相談の上交換することにしちゃいました。
で、選んだのが写真のRaw Vintage Saddle。サイズも国産用と舶来もの用とありまして重宝します。
質、作り共に良くてめでたく弦ビレは解決いたしました。もちろんサウンドテイストも耳にきつくなくGood。お勧めです!