ずいぶん久しぶりになってしまいました、弦高シリーズ。
きょうはその三、ベースの弦高ですよ。
思いのほか、いかつい(硬い)写真になってしまいましたが、右側が1弦の12F。左が4弦の12F上の測定状況。
ちょこっと角度が悪くて正確には見えにくいのですが、1弦のクリアランスが1.3~1.5mm、4弦では2.0mmほどです。使用目的、用途としてはスラップ(あるいはチョッパー)中心としての設定ですね。
もちろんここを決める前にまずネックの反り具合をガチっと決めなければなりませんが、基本的には可能な限り真っ直ぐ。直線です。なぜって、セットアップの翌日にはわずかながらネックが起きることを想定しているのと、
若干フレットノイズが入るくらいのほうがサウンド的にはFunkyになるから、っと自分なりに考えています。
このセッティングを基本にして、指弾きメインの人はネックをわずかに順反りにし、弦高もプラス0.2mmくらいにして見ます。わずかに順反りというのは、1Fと12Fを押さえて、6Fあたりで0.2mm、名刺1枚が入る程度ですか。それ以上順そりにしてしまうと、12F以降のハイポジションで音詰まりが出やすくなってしまいます。
1~4Fがわずかに順反り、5~12Fは直線、13F以降は緩やかに逆反っているようにセッティングするとベストだとする見方もあります。そうなっていると、後々の経年変化にも(多少なら)対応できるからですね。
もちろんネックの個体によりますが、1年、2年と時間が過ぎるうちにいわゆる「ハイ起き」症状が出ることがおおいものですから、最初からハイポジションをやや逆反り状態にしておけば、多少の変化が起きた後でも「ビレ」が出にくいんですね。
この時に大事なのは「12Fで弦高をセットする」事です。だって、ハイポジが逆反りなのに最終フレットで弦高を決めてしまうと12Fでは低すぎちゃってペンペンした音しか出ないですからね。あくまでも12Fで決めて、最終フレットの数値は参考程度に見ておきます。(もちろん最終フレットの数値がおかしければ、すりあわせがおかしいということですからね。)
とあるベーシストの方に「触れるだけで音が出るセッティング」というようにリクエストされたことがあります。
「フワッと包み込むような(弾き方が出来る)弦高」とも云われました。もう20年近く前だったと思いますが、ギター弾きの自分としてはずいぶん悩んだ気がします。
また別のベーシストの方からは、「弦高低いとベースの音が出ない!1弦3mm4弦4mm!(最終フレット)」とも云われましたねー。確かにそのセッティングだと、他のベースでは出ないような野太い、何の「にごり」もないこれぞベース!って音が出ていましたね。
だから上の定規の写真で見える数値はあくまで、最近の僕のセッティングですよ。
チョー低く!って云われれば、1弦~4弦まで全部1mmにしちゃいますし、「テンション感のあるセッティング」と云われれば、1弦1.7~4弦2.5mmくらいとか、反り具合とのバランスをみながら、バチっとはまるポイントを見つけるまでいじっちゃいます。
もうひとつ、自分のこだわりとして、フレットレスベースのセッティング、というのがあります。
自分の中では「フレットレスサウンド=ジャコパス」という崩せない図式があるものですから、「あの」音を求めて調整をしてゆきます。
自分なりにたどり着いた結果は、まずは指板面の絶対的な平滑度。それが出来ているとして、出来るだけ低く、ペタッとした弦高。そこが上手くゆくと、指板上のどのポジションを弾いても、あの「ゥニ゙ィー、ゥニ゙ィー」←違うかっムズカシイナ)という音が出せます。これが出ると気持ちイイ。ひたすら弾いてしまいます。
理想の音はコレです。(若干音がイマイチですが、イメージしてね)
Weather Report – A Remark You Made – Live
A Remark You Made←こっちのほうが聴き易いです